大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和38(オ)455 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人香田俊雄の上告理由第一点について。

所論の点に関する原審の事実認定は、挙示の証拠により是認できる。論旨は乙三

号証、六号証、七号証、八号証等を引用し、これらに対する原判決の判断を非難す

るが、ひつきよう原審の裁量に属する証拠の取捨判断、事実の認定を争うに帰し、

原審の判断の過程に所論の違法は認められない。また所論引用の判例は事案を異に

するものであつて本件に適切でなく、判例違反の主張も採るを得ない。

同第二点について。

所論は原判決が条理、社会通念を無視し、採証法則に違反するものであるという

が、論旨は、ひつきよう原判決の認定に副わない事実を主張し、または原審の裁量

に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難し、これを前提として原判決の違法を

いうものであつて採るを得ない。また、原判決は所論のように代金額と時価との対

比のみによつて本件売買契約の成立を否定したものでないことは判文上明らかであ

つて、この点についても所論の違法は認められない。

同第三点について。

本訴が原審に係属中死亡した上告人らの訴訟代理人Dの氏名が、右訴訟代理人と

して原判決の当事者欄に記載されていることは所論のとおりであるが、原判決は、

同人が死亡後も訴訟を遂行した旨の判示をしているわけではなく、当事者表示欄に

右のごとく表示されたとしても、これをもつて、同人が死亡後も訴訟を遂行した旨

を示すものとは到底解されない。所論は原判決を正解せざるに出たものであつて、

採用の限りでない。�

- 1 -

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!